白絹病
白絹病
ここ2〜3年ユーパトリウム・フジバカマ・シュウメイギクなどがところどころ枯れます。
抜去すると白い糸くずのようなものが見えました。
白絹病では?と思いながらも抜いただけで放置。
ところが今夏はクリスマスローズ・ホトトギス・ホタルブクロ・ワレモコウにも感染?
そしてさらに菜園のトウガラシにまで波及しました。
一番驚いたのはこのフジバカマです。
大半の葉が枯れていました(左上と右下はシュウメイギク)。

その株元を見ると褐色の粒々!
さらにその周りから敷石に向かって白く輝くものは何?

拡大します。
まるで粒状肥料を撒いたようです。
その周りに白い羽のようなものが放射状に広がっています。

枯れ葉を除けると茎の根元にも白色や褐色の粒子がいっぱい!
その間には細くて白い糸のようなものが這っています。
ひょっとしてこれも白絹病?
急いで「白絹病」を検索、まさしくこれと確認しました。

まだ枯れていない株元にも白い繊維が絡まっています。
これが「菌糸」です。
白色または褐色の粒子は「菌核」でした。

病変は地際部に顕著であまり深くへは及んでいません。
光沢のある白い絹糸のような菌糸。
まずは葉が枯れた株を抜去しました。

茎の下部から根元にかけて菌糸が膜状に覆っています。

まるでソックスを履いたように限局。
菌糸は光沢があって写真がどれもボケてしまいました。

根元はほとんど白い菌糸に包まれています。

枯死寸前にも生き残ろうと新芽を伸ばす生命力!

今年は辛くないトウガラシ「万願寺」を3本植えました。
食べきれないほど豊作だったのに、一番大きい株が枯れ、左の株も萎れ始めました。

根元の藁や葉を除去してみるとやはり白色や褐色の菌核が現れました。
野菜にも白絹病が広がったのです!
白絹病の病原菌はきわめて多犯性で 55科160余種の植物に寄生するそうです。
野菜ではトマト・ナス・キュウリ・スイカ・トウガラシ・ダイコン・ネギ・ニンジン・インゲン・ダイズ・サトイモ・ジャガイモ・フキなど。

ユーパトリウムの枯れた茎を抜くとやはり根元は真っ白でした。
しかしまだ菌核は形成されていません。

茎の最下部が白変しています。
ユーパトリウムもフジバカマと同じくキク科ヒヨドリバナ属。
好発するのはキク・クレマチス・ミヤコワスレ・アルストロメリア・ガーベラ・ボタン・シャクヤク・パンジー・チューリップ・アイリス・ユリ・バラ・ギボウシ・ジンチョウゲなどと。

菌糸を顕微鏡で見てみました。
確かに糸状菌です。
検索すると病原菌は Sclerotium rolfsii という土壌生息菌。
菌糸から菌核を形成し土中で越冬、翌年発芽して菌糸を伸長させ植物に寄生するのです。
菌核は1〜2mmの球形。初め白色、次第に淡褐色から濃褐色へと変化します。
菌の最適生育温度:32〜33℃。至適pH :5.9。

かくして今年はフジバカマを殆ど抜き捨てました。
フジバカマは万葉の時代から日本で親しまれてきた花ですが、自生種は絶滅が危ぶまれるほど稀少となり、近年「フジバカマ」の名で市販されているものの多くは、フジバカマとサワヒヨドリの雑種(サワフジバカマ)だそうです。
この庭ではアズレアとの共演も良い雰囲気でした。

2007年の秋、このフジバカマにアサギマダラが舞い降りてくれました。
こんなことは一生に一度の幸運と思いながらも、今一度の夢を残してフジバカマを育てていたのです。

今年の猛暑はこの庭の白絹病を一気に増悪させてしまったようです。
とにかく病変のある株は抜き、菌核や菌糸は可能な限り掬い取りました。
菌核は古くなると濃褐色になって土と見分けがつかなくなってしまうそうです。
除菌にはどうすればいいのでしょうか? 検索してみました。
1)深く掘って上層部の土と入れ替える(天地返し)。
2)暑い日に黒いビニールで覆って高温にする。
3)薬品を用いる(フルトラニルなど)。
4)石灰を撒く(土をアルカリ性にする)。
1)を試したいのですが、体力がありません。
今年は初めて3)のフルトラニル製剤を蒔きました。効果があるといいのですが...........。
ここ2〜3年ユーパトリウム・フジバカマ・シュウメイギクなどがところどころ枯れます。
抜去すると白い糸くずのようなものが見えました。
白絹病では?と思いながらも抜いただけで放置。
ところが今夏はクリスマスローズ・ホトトギス・ホタルブクロ・ワレモコウにも感染?
そしてさらに菜園のトウガラシにまで波及しました。
一番驚いたのはこのフジバカマです。
大半の葉が枯れていました(左上と右下はシュウメイギク)。

その株元を見ると褐色の粒々!
さらにその周りから敷石に向かって白く輝くものは何?

拡大します。
まるで粒状肥料を撒いたようです。
その周りに白い羽のようなものが放射状に広がっています。

枯れ葉を除けると茎の根元にも白色や褐色の粒子がいっぱい!
その間には細くて白い糸のようなものが這っています。
ひょっとしてこれも白絹病?
急いで「白絹病」を検索、まさしくこれと確認しました。

まだ枯れていない株元にも白い繊維が絡まっています。
これが「菌糸」です。
白色または褐色の粒子は「菌核」でした。

病変は地際部に顕著であまり深くへは及んでいません。
光沢のある白い絹糸のような菌糸。
まずは葉が枯れた株を抜去しました。

茎の下部から根元にかけて菌糸が膜状に覆っています。

まるでソックスを履いたように限局。
菌糸は光沢があって写真がどれもボケてしまいました。

根元はほとんど白い菌糸に包まれています。

枯死寸前にも生き残ろうと新芽を伸ばす生命力!

今年は辛くないトウガラシ「万願寺」を3本植えました。
食べきれないほど豊作だったのに、一番大きい株が枯れ、左の株も萎れ始めました。

根元の藁や葉を除去してみるとやはり白色や褐色の菌核が現れました。
野菜にも白絹病が広がったのです!
白絹病の病原菌はきわめて多犯性で 55科160余種の植物に寄生するそうです。
野菜ではトマト・ナス・キュウリ・スイカ・トウガラシ・ダイコン・ネギ・ニンジン・インゲン・ダイズ・サトイモ・ジャガイモ・フキなど。

ユーパトリウムの枯れた茎を抜くとやはり根元は真っ白でした。
しかしまだ菌核は形成されていません。

茎の最下部が白変しています。
ユーパトリウムもフジバカマと同じくキク科ヒヨドリバナ属。
好発するのはキク・クレマチス・ミヤコワスレ・アルストロメリア・ガーベラ・ボタン・シャクヤク・パンジー・チューリップ・アイリス・ユリ・バラ・ギボウシ・ジンチョウゲなどと。

菌糸を顕微鏡で見てみました。
確かに糸状菌です。
検索すると病原菌は Sclerotium rolfsii という土壌生息菌。
菌糸から菌核を形成し土中で越冬、翌年発芽して菌糸を伸長させ植物に寄生するのです。
菌核は1〜2mmの球形。初め白色、次第に淡褐色から濃褐色へと変化します。
菌の最適生育温度:32〜33℃。至適pH :5.9。

かくして今年はフジバカマを殆ど抜き捨てました。
フジバカマは万葉の時代から日本で親しまれてきた花ですが、自生種は絶滅が危ぶまれるほど稀少となり、近年「フジバカマ」の名で市販されているものの多くは、フジバカマとサワヒヨドリの雑種(サワフジバカマ)だそうです。
この庭ではアズレアとの共演も良い雰囲気でした。

2007年の秋、このフジバカマにアサギマダラが舞い降りてくれました。
こんなことは一生に一度の幸運と思いながらも、今一度の夢を残してフジバカマを育てていたのです。

今年の猛暑はこの庭の白絹病を一気に増悪させてしまったようです。
とにかく病変のある株は抜き、菌核や菌糸は可能な限り掬い取りました。
菌核は古くなると濃褐色になって土と見分けがつかなくなってしまうそうです。
除菌にはどうすればいいのでしょうか? 検索してみました。
1)深く掘って上層部の土と入れ替える(天地返し)。
2)暑い日に黒いビニールで覆って高温にする。
3)薬品を用いる(フルトラニルなど)。
4)石灰を撒く(土をアルカリ性にする)。
1)を試したいのですが、体力がありません。
今年は初めて3)のフルトラニル製剤を蒔きました。効果があるといいのですが...........。
この記事へのコメント
突然枯れるものは大抵これです。
わたしはこの病気が出るとやかんで熱湯をその土にかけます。
効果はわかりませんが・・・・
この病気が出るとがっくりします。
やはり白絹病を経験なさったのですね。
高温処理のためのやかんの熱湯、私も真っ先に考えました。
しかし見回るごとに被害箇所が増えるので、熱傷の危険を考慮して薬剤を第一選択にしました。
今も軽症の狭い面積には試してみたいと思っています。
フジバカマの放射状の菌糸は、凄いですね。
根元に落葉を置いてはいけないという訳がよく分かります。
熱湯消毒は考えたことがなかったです。
試してみてもいいかな。
私は今は菌核のある辺りの土を除去して、別の所で深く埋めていますが、それでは完全に出来ないのは分かっているから、
困ったもんだと嘆きつつ、半ば諦めています。
薬剤の効果を来年の記事で拝見したいので、よろしくお願いします。
うちはまだ軽症と思っていたら、たちまち感染が広がり慌てました。
カビだから熱湯には弱いはずですが、実験データは見当たりませんでした。
薬剤の中ではフルトラニルが良さそうです。
今まで農薬を避けてきたのですが、体力も落ちて天地返しもできないため、やむを得ぬ選択でした。
有機栽培での落ち葉や敷き藁が感染源になるというのも皮肉ですね。
また経過をお知らせします。
粒々に見えるのは肥料を施したのかと思って・・・
まるで白い羽のように見えますね
白絹病なんですか
早目に処置が必要なんですね
大事なフジバカマも病気にやられて可哀想です
アサギマダラの夢を是が非でも実現させたいですね
がんばってください!
本当に誰が肥料を撒いてくれたかと思いました!
ここは隣にサルビア・グアラニチカが大きくなりすぎて倒れ、通路を塞いでいたのでしばらく見ていなかったのです。
でも、ホトトギスは全部刈ったのにもう若芽が出始めました。
万願寺の残り1本は感染していないのか、昨日はたくさん収穫できました。
フジバカマなども復活してくれるかもしれませんね。
望みを捨てずに見守ります。
土中に菌核が形成されているかもしれません。土中で越冬するようです。保育社の原色草花・野菜病害虫図鑑には、栽培が終わった後、消石灰を多量にまいて耕起する、とありました。窒素過多は良くないそうです。
この地に住んで42年、今まで虫害はたくさん経験しましたが、できるだけ薬を使わず、手で取ることを原則としてきました。
また落葉や雑草、収穫後の野菜などは自家製堆肥にしてリサイクル。
しかし、今年の白絹病には参りました。
畑の被害は今のところ、2株だけですので「消石灰を多量にまいて耕起する」を実行しようと思います。
花壇の方は殆どが宿根草のため、全部掘り起こすのは困難です。
今の体力ではフルクトラニルの効果を期待せざるを得ないようです。
白絹病は昔からあった病気ですが、この頃急に増えているようで、複数のブログガーデナーさんからも悩みの声を聞きます。
多犯性という言葉も初めて知りました。今は薬効を期待するのみです。
薬の効果で全滅できるといいですね。
うちでは、いまのところ見かけていませんが、注意していないといけませんね。
枯れたフジバカマを掻き分けると、驚いたことに金銀ざっくざく!と宝物が出たらよかったのですが、金は菌核、銀は菌糸でした。
これから種を蒔く大根などに被害が出ないよう祈っています。
無農薬を全うしようと思えば病巣部の土を深い穴に埋め込むとか、高温処理とかになるのでしょうが、すでにかなり広範囲なのでもう無理です。
幸い薬を撒いたところでは病変が進まず、ある程度の効果はありそうです。
白絹病ではなくてよかったですね。
私も今までフジバカマのように強い宿根草はほとんど肥料も与えず、周りの雑草を取るくらいでしたが、今年は初めて白絹病の怖さを思い知らされました。
でもこんな病気があることを知っておけば、早期に発見して早めに対処できるかと思います。
写真を見ると落胆してしまいそうです。今年の夏は植物にとっては暑すぎて弱ってしまったのでしょうか。夕菅さん、大変ですががんばってくださいね。
ヒトにもいろんな伝染病があるように、植物の世界にも厄介な伝染病があるのですね。
むしろ今まで経験しなかったことを幸いとすべきかもしれません。
全滅することはなさそうですから経過を見ていきます。