モモイロヒルザキツキミソウと昆虫

モモイロヒルザキツキミソウと昆虫

モモイロヒルザキツキミソウについては既に2回、記事にしました。
 1)ヒルザキツキミソウ(モモイロヒルザキツキミソウ)
 2)ヒルザキツキミソウの糸引く花粉

最近同じくマツヨイグサ属のユウゲショウの果実について楽しい記事を読みました。
さてヒルザキツキミソウではどうでしょうか?
早速梅雨の晴れ間にモモイロヒルザキツキミソウの果実を見に行きました。
ヒルザキツキミソウ1wb.jpg

果実を探す前に目に飛び込んだのは花の中で激しく動く昆虫!
ハナバチの一種でしょうか、黒っぽい虫が雄しべと格闘していました。
シロオビキホリハナバチ-1wb.jpg

花の中にひっくり返って2本の葯を抱え込んでいます。
雌しべにはたっぷり花粉が付着し、雄しべは退縮中。
シロオビキホリハナバチ1wb2.jpg

花粉が出ている葯をしっかりかかえて「まるかじり」。
シロオビキホリハナバチ2wb2.jpg

天辺から見下ろしました。
お世辞にもかわいいとは言えない頭部。
シロオビキホリハナバチ6wb2.jpg

葯を抱えたまま回転します。動画で撮りたかった!
ハナバチの同定は私にはできませんが、画像で見たシロオビキホリハナバチに似ているようです。
シロオビキホリハナバチ7wb.jpg

比較のため2010年に撮ったセイヨウミツバチを再掲します。
ミツバチ2wb.jpg

一方、長ーい触覚を忙しく動かしているのはウスイロササキリのようです。
 (バッタ目キリギリス科)
ウスイロササキリ2wb.jpg

花の中を物色中。
ウスイロササキリ・アリ1wb.jpg

花弁を齧ろうとしています。
大きな頭と馬面のウスイロササキリ、頭も顎も小さいツユムシと鑑別容易です。
ウスイロササキリ4wb.jpg

やはり、花弁より花粉がいいようです。
(画像は全て画面をクリックすると大きくなります。)
ウスイロササキリ8wb.jpg

確かに顎がよく発達しています。まるで顎に指がついているよう。
ウスイロササキリの食草はイネ科草本のはずですが、飼育下では野菜・果物からドッグフードまで食べるそうですから、花粉はご馳走でしょう。
ウスイロササキリ5wb.jpg

脚の先は関節がいくつも重なってアームロボットのようです。
本来用心深い昆虫のようですが、ただ今好物に夢中、コンデジが近づいても知らんぷり。
ウスイロササキリ7wb.jpg

背面から見ると印象が違います。
ウスイロササキリ6wb.jpg

花弁が齧られて大きく欠損しています。
一体誰の仕業でしょう。
ウスイロササキリ跡wb.jpg

ホソハリカメムシもイネ科植物を食べます。でもツキミソウは?
(カメムシ目  ヘリカメムシ科)
ツキミソウ・ ホソハリカメムシwb.jpg

ツユムシの幼虫?
脚にもひげにも花粉がいっぱい付いています。
ツユムシの幼虫wb2.jpg

これは2010年に撮ったセスジスズメです。
長い口吻を突き刺して蜜を吸っています。
セスジスズメ2wb2.jpg

久しぶりに楽しい昆虫との出会いでした。
本命の果実については次回の記事にします。

この記事へのコメント

2014年07月16日 07:58
いよいよヒルザキツキミソウの登場ですね。
私も近々また掲載する予定ですが、開く直前の蕾のがくに綺麗な筋があるのに気づきました。
開花後には花弁の下でスカーフのように付いていました。
エフ・エム
2014年07月16日 11:46
ヒルザキツキミソウはすでに野生化したものが見られますね。いろいろな昆虫が訪れるのは子孫を残すのに大切な条件。これからも増えてゆくような気がします。
小さなハナバチは何種類も見かけますが、ほとんど名前が分かりません。ハナキリンに毎日やってくる小さなハナバチが気になってならないのですが。
2014年07月16日 18:07
多摩NTの住人 さん コメントありがとうございました。
今年のヒルザキツキミソウはもう終了と思っていましたが、多摩NTの住人さんのお蔭でまた楽しむことができました。
雨上がりの庭では昆虫達が夢中で空腹を満たしているようでした。
新発見は「開花直前のがくの筋」ですか? 
ストック画像を見直しましたがそれらしきは写っていません。スカーフはありますね。また楽しみにしています。
2014年07月16日 18:23
エフ・エム さん コメントありがとうございました。
ヒルザキツキミソウはうちの花壇では放っておいてもほどほどに咲いていますので、気楽に切り花にしたりして重宝しています。
しかし、ハナミズキの下に移植したのは絶えていってしまいます。
たくましい外来種もやはりそれぞれ相性があるようです。
昆虫の観察は楽しいのですが、いつも本名がわからなくて後で苦労します。ハナバチは特にむつかしいですね。
花咲かばあさん
2014年07月16日 19:57
ヒルサキツキミソウは、昆虫たちにとってはとても魅力がある花ですね。
ハナバチの様子も面白い。花粉の量がとても多いんですね。
花粉も花びらも大ご馳走、危険もかえりみずおなかを満たすのに夢中の姿もまた面白い。
生け花にしても花持ちが良くて重宝しますね。病気もほとんど無く育てやすく、繁殖力も旺盛で、時々整理したりしています。

最近スズメガの話でおおいに盛り上がりました。
いつもの山登りの時に巨大なイモムシを見つけました。
体長13.4センチはあり、太さは大人の親指より一回り大きく、背中は茶色でおなかのほうは緑色です。
スズメガらしいとは思いましたが、検索しても同じものは見つからない。
昨日、ようやく確定できました。幼虫は脱皮を繰り返すために形もさまざま、確定がむつかしいということでした。
順絶滅危惧種の「オオシモフリスズメ」でした。国内で生息するスズメガの中ではイモムシも成虫も最大種とか。
人が近付くと頭をもたげ、シューシューと音を鳴らすとの説明でしたが、そんな様子は見られませんでした。めったに見られないということですのでとてもラッキーな出会いでした。カメラにも収められました。横道にそれました。
2014年07月16日 22:04
花咲かおばさん コメントありがとうございました。
ヒルザキツキミソウは生け花にすると蕾も開くことがあり、他の緑色の葉を添えると意外に映えますね。
もう花も終盤ですのに昆虫達が夢中になってむさぼっていました。
奇しくも私も今日はナスの葉にいた鮮やかな緑色の大きな芋虫と対面!
スズメガだけど何だったかなと調べたばかりです。
但しうちのは「オオ」がない「シモフリスズメ」、それでも巨大でした!
蛹になるところを探していたのでしょうか?
「オオシモフリスズメ」はまだ見たことがありませんが、想像できます!
703
2014年07月16日 23:54
ヒルザキツキミソウにこんなに虫が集まっているとはしりませんでした。
広がって広がって、抜いてまわっているからでしょうか。
まあ、愛情不足でしょうね。

カメラを近づけても振り向きもしない・・・で、コガネムシを思い出しました。
隣が捕まっても食べ続けている貪欲さ。
スズメガの巨大イモムシももう出てきているのですね。
今年はゴマを植えていないから、ぎょっとする回数が少なくてすむかしらん?

ヒルザキツキミソウが生け花に使えるとは思ってもいませんでした。
いい情報でした。
2014年07月17日 10:49
大人気なんですね!
これほど色々な昆虫がやってくるなんておいしさは相当なのでしょう
花粉を抱えて大奮闘しているのを見ると微笑ましくなりました。
モモイロヒルザツキミソウって花粉がつながって見えるところが好きです!
「糸引く花粉」花を見るときいつもこの状態に目が行っています。
今度は例の別の花 楽しみです~
2014年07月17日 17:54
703 さん コメントありがとうございました。
今頃うちの庭には美味しい花がないのか、この花が人気でした。
やはり一時は殖え過ぎて抜きましたが、今はバランスよく咲いています。
コガネムシもニジュウヤホシテントウも今年は少なめで助かります。
巨大イモムシにはあまりお目にかかりたくありませんね。
ゴマ畑の団体さんは想像するだけでもゾッとします!
2014年07月17日 18:11
とんちゃん コメントありがとうございました。
今年はヒルザツキミソウをまたまた取り上げることになりました。
ユウゲショウに比べて大きいので助かります。
「ヒルザキツキミソウの糸引く花粉」からもう4年経っていました。
古い記事まで読んでいただいて恐縮です。
このときはまだ果実まで観察することは思いつきませんでした。
リンちゃんママ
2014年07月18日 22:50
ツキミソウなんとなくロマンチックな名前です。漢字で書くといっそう。花粉が糸を引いているのはちょっとロマンチックからかけ離れますが。虫がたわむれているのは虫と花とのWINWINの関係ですね。蜜をもらったり花粉を付けてもらったりお互い助け合っているのですね。ハチの正面からは怖いですが葯を抱え引っくり返っているのは可愛いです。ササキリの顔はとてもひょうきん。写真撮影中思わず笑みがこぼれているのではと想像しております。一つの花に何種類もの虫が寄ってくるのにびっくりしました。
2014年07月19日 23:37
リンちゃんママさん コメントありがとうございました。
この日は果実の観察のため小椅子を持参していました。
じっくり座って見ると、歩きながら見下ろしていたときとは異なる世界が展開されているように思えました。
仕事を辞めたらこんなふうに過ごせる時間がもっとふやせるのですが、なかなかままなりません。