クロメンガタスズメ
クロメンガタスズメ
黒面形天蛾
チョウ目スズメガ科の昆虫
学名: Acherontia lachesis
10月14日( 祝日)11時頃。
完熟したイチジクを探しに行ったとき、近くに自生しているサトイモの葉っぱの裏に目が引きつけられました。
?
「出た〜。」
そう、これが「面形蛾」?
今まで見たこともない大きな蛾です。
背中に顔型のワッペンを付けています。
あとで検索しましたところ「クロメンガタスズメ」でよさそうです。

迫力のある大きな蛾です。
そっと物差しを近づけると頭から翅端までが約8cm。
開翅長は90-120mmにも達するそうです。
日本で成虫が見られるのは4月から11月。
分布:日本(東北以南)、朝鮮半島、台湾、中国、ベトナム、マレーシア、インド。

これはフラッシュ撮影した画像です。
前翅の模様がはっきり浮かび上がりました。
近似種にメンガタスズメがいます。
メンガタスズメでは腹部背面に縦に走る藍色の帯が細く、クロメンガタスズメでは巾広いそうです。しかしこれは開張しないとよくわかりません。
両方共、胸部背面に面形模様がありますが、クロメンガタスズメの方は灰色を帯びているといわれます(名前と逆なような気がしますね)。
この蛾の模様は明らかに白っぽいのでクロメンガタスズメにしたのです。

面形模様を拡大します。
この模様からドクロ蛾とか骸骨蛾ともいわれ、英名はdeath’s‐head‐moth 。
この個体では洋犬の顔のようにも見えますが、白い部分だけをみるとドクロにも見えるのでしょうか。
いずれにしてもこの模様の白っぽい色からクロメンガタスズメとしました。

逆さにすると子猫の顔?

この日の5時半ころもういないだろうと思いつつも見に行ってみました。
すると意外にもクロメンガタスズメはまだいました!
里芋の葉を5cmほどよじ上っていたのは出発の準備でしょうか。
しかし翌朝行った時にはもう見つかりませんでした。

実は昨年10月6日、今まで見たこともないような大きな芋虫を植えたばかりのプリペットの生垣で見つけました。大きさ約8cmありぷくぷくに太っていました。
このとき面形蛾という存在を知り、一度出会いたいものとは思っていたのです。
終齢になると成虫の開翅長とほぼ同じ120mmに達するそうです。
幼虫には緑色・黄色・褐色のものがいます。

横から見ると細い枝に巻き付いた何ともグロテスクな、でも何故かユーモラスな姿。
この幼虫の食草はナス科、ヒルガオ科、ノウゼンカズラ科、マメ科、モクセイ科、ゴマ科、ナス科およびクマツヅラ科といろいろで広食性と言われます。
卵はこれらの植物の古い葉に一つだけ産み付けられるそうです。

顔を拝見。
うーん。
体表はしわがたるんだようですが、よく見ると細かい顆粒状です。
(画面をクリックすると大きくなります。)

尾角は若齢幼虫では滑らかでまっすぐだそうですが、次第に弯曲してS字形を呈し、その表面はイボのような突起に覆われています。
尾角の弯曲はクロメンガタスズメでは強く、メンガタスズメでは僅かといわれています。

メンガタスズメやクロメンガタスズメの成虫は蜂蜜泥棒といわれ養蜂農家から嫌われています。
スズメガには口吻が発達して花の蜜を吸うものが多いのですが、メンガタスズメ達の口吻は短く、花の蜜は吸えません。しかし口吻の先端が強靭なためミツバチの巣盤に穴を開けて盗蜜するのです。
また果実の表面に穴を開けて果汁を吸う、果樹の害虫でもあります。
一方、幼虫はナスやトマト、ジャガイモ、ゴマを食害し、大きいだけに被害も甚大です。
珍しい蛾を見つけたと喜んでいると、翌年からは家庭菜園がたいへんなことになるかもしれません。
もう一つの特徴はチョウ目としては珍しく鳴くことです。幼虫は触れるとピシッという音を出し、成虫は危険を感じるとキイキイと大きな音を出すそうですが、私はまだ聞いたことがありません。
黒面形天蛾
チョウ目スズメガ科の昆虫
学名: Acherontia lachesis
10月14日( 祝日)11時頃。
完熟したイチジクを探しに行ったとき、近くに自生しているサトイモの葉っぱの裏に目が引きつけられました。
?
「出た〜。」
そう、これが「面形蛾」?
今まで見たこともない大きな蛾です。
背中に顔型のワッペンを付けています。
あとで検索しましたところ「クロメンガタスズメ」でよさそうです。

迫力のある大きな蛾です。
そっと物差しを近づけると頭から翅端までが約8cm。
開翅長は90-120mmにも達するそうです。
日本で成虫が見られるのは4月から11月。
分布:日本(東北以南)、朝鮮半島、台湾、中国、ベトナム、マレーシア、インド。

これはフラッシュ撮影した画像です。
前翅の模様がはっきり浮かび上がりました。
近似種にメンガタスズメがいます。
メンガタスズメでは腹部背面に縦に走る藍色の帯が細く、クロメンガタスズメでは巾広いそうです。しかしこれは開張しないとよくわかりません。
両方共、胸部背面に面形模様がありますが、クロメンガタスズメの方は灰色を帯びているといわれます(名前と逆なような気がしますね)。
この蛾の模様は明らかに白っぽいのでクロメンガタスズメにしたのです。

面形模様を拡大します。
この模様からドクロ蛾とか骸骨蛾ともいわれ、英名はdeath’s‐head‐moth 。
この個体では洋犬の顔のようにも見えますが、白い部分だけをみるとドクロにも見えるのでしょうか。
いずれにしてもこの模様の白っぽい色からクロメンガタスズメとしました。

逆さにすると子猫の顔?

この日の5時半ころもういないだろうと思いつつも見に行ってみました。
すると意外にもクロメンガタスズメはまだいました!
里芋の葉を5cmほどよじ上っていたのは出発の準備でしょうか。
しかし翌朝行った時にはもう見つかりませんでした。

実は昨年10月6日、今まで見たこともないような大きな芋虫を植えたばかりのプリペットの生垣で見つけました。大きさ約8cmありぷくぷくに太っていました。
このとき面形蛾という存在を知り、一度出会いたいものとは思っていたのです。
終齢になると成虫の開翅長とほぼ同じ120mmに達するそうです。
幼虫には緑色・黄色・褐色のものがいます。

横から見ると細い枝に巻き付いた何ともグロテスクな、でも何故かユーモラスな姿。
この幼虫の食草はナス科、ヒルガオ科、ノウゼンカズラ科、マメ科、モクセイ科、ゴマ科、ナス科およびクマツヅラ科といろいろで広食性と言われます。
卵はこれらの植物の古い葉に一つだけ産み付けられるそうです。

顔を拝見。
うーん。
体表はしわがたるんだようですが、よく見ると細かい顆粒状です。
(画面をクリックすると大きくなります。)

尾角は若齢幼虫では滑らかでまっすぐだそうですが、次第に弯曲してS字形を呈し、その表面はイボのような突起に覆われています。
尾角の弯曲はクロメンガタスズメでは強く、メンガタスズメでは僅かといわれています。

メンガタスズメやクロメンガタスズメの成虫は蜂蜜泥棒といわれ養蜂農家から嫌われています。
スズメガには口吻が発達して花の蜜を吸うものが多いのですが、メンガタスズメ達の口吻は短く、花の蜜は吸えません。しかし口吻の先端が強靭なためミツバチの巣盤に穴を開けて盗蜜するのです。
また果実の表面に穴を開けて果汁を吸う、果樹の害虫でもあります。
一方、幼虫はナスやトマト、ジャガイモ、ゴマを食害し、大きいだけに被害も甚大です。
珍しい蛾を見つけたと喜んでいると、翌年からは家庭菜園がたいへんなことになるかもしれません。
もう一つの特徴はチョウ目としては珍しく鳴くことです。幼虫は触れるとピシッという音を出し、成虫は危険を感じるとキイキイと大きな音を出すそうですが、私はまだ聞いたことがありません。
この記事へのコメント
シッポのあるスズメガの中でも大きい種類みたいなので、会いたいような会いたくないような。巨大なので、鳥にとってはご馳走なのかな、と想像してます。
黒いマントを翻して飛ぶ悪役。
芋虫時代もユニークな姿ですが、鳴くって、本当に驚きです。
そう言えば声を出す虫って、セミやスズムシくらいで、ほとんどは静かなのですね。
「会いたいような会いたくないような」.....わかります、わかります。
鳥でこれを食べられるのは何でしょう?
あ、モズなら攻撃するかもしれませんね。
この個体は比較的かわいい面形で、逆さにしたら子猫みたいに見えましたので、画像1枚追加しました。
でも開張すると後翅と腹部には橙色が入るので割りに派手かもしれません。
夜、この姿で鳴いたらかなり驚きますね。
でもこれを鳴かせるのはちょっと........やっぱり無理ですね。
大きい芋虫の画像がまだ何種かあるのですが、嫌いな人もあるので出しそびれています。
私も似たような蛾を見たことがあります。
ジンメンガがいるよと言われて東屋の天井を見たらいました!
似ているようでもちょっと違ったような気もします。
お面をはりつけたみたいでグロテスクでもユーモラス!
アップで見ると毛深いです。
幼虫の顔を見るとしわしわ お面の色がもう用意されているみたい
幼虫になにかが触れると音を出す!
成虫もキイキイ音を出すなんて信じられない
幼虫は野菜類が好きなんですね。ベジタリアン!
でも菜園をしている人たちは厄介な生き物に悩まされるのでしょう
ひょっとしたらメンガタスズメだったかもしれません。
音を出すことはブログのためのにわか勉強で知りました。
刺激を与えると威嚇の叫びを挙げるのでしょうね。
試すにはちょっと勇気が要りそうです(笑)。
無農薬の菜園には虫達が喜んでやってくるので対応がたいへんです。
野草も昆虫も似ていますが、駆除は昆虫の方が難しいと思います。
これはまた厳つい!!
夕菅さんも初めてということは、珍しいんですか?
友達が虫のデパートと言う我が庭では、まだ出没しておりませんが、
出くわしたくはない来客です(笑)
かの有名なる703さんのゴマ畑の芋虫もこれかもと思っていましたがちょっと違うようですね。シモフリスズメかな?
私のところでは幼虫は昨年、成虫は今年、それぞれ初めてです。
埼玉県では絶滅危惧種に指定されているよう、意外でした。
うちも今回だけでもう結構です(笑)。
昨年はメンガタスズメの幼虫、一昨年はクロメンガタスズメの幼虫を庭で見つけました。これらの幼虫の親が庭にやってきたことは明らかですが、すがたは見ませんでした。成虫は滅多に見ないのに、ちゃんと来ているのですね。
成虫の写真を見せていただき、岩波文庫版の「蝶の生活」(シュナック著、岡田朝雄訳)の迫力ある「ドクロメンガタスズメ」の部分を再読したところです。なんとも不思議な蛾です。
お庭でもメンガタスズメやクロメンガタスズメの幼虫が見つかったのですね。そのうち成虫も見られそう、期待してて下さい(笑)。
「蝶の生活」、もちろん読んでいませんが、「ドクロメンガタスズメは痛風病み」という面白いタイトルのようですね。
「羊達の沈黙」の映画でもドクロメンガタスズメが出てくるようです。これも私は見ていませんが、検索するとポスターが出てヒロインの口にこれらしき蛾が張り付いている画像がでました。
http://matome.naver.jp/odai/2135197866677974601/2135198316878114603
無農薬で育てる庭の花や野菜には昆虫や鳥がいろいろやってきます。
当然のことながら生存競争も繰り広げられます。
以前は避けていた芋虫たちともお近づきになりました(笑)。
これよりもっと何かわからなかった「物体」もいましたよ。
http://yuusugenoniwa.blog.so-net.ne.jp/2012-09-20
お近くの重井薬用植物園で昼咲きユウスゲを育てられていることは知っていました。
夕闇の中で庭のユウスゲの花を見る時は一人で見るのは勿体ないと思うことがあります。こんな思いが交配種のきっかけになったのでしょうね。
上手く育てられるかどうか自信もなく、交雑種をつくることについて迷いもありますが、あとはメールでよろしくお願いします。
クロメンガタスズメは幼虫も成虫も見応えがありますね。
「キチキチキチと威嚇するような音」がしましたか!
私はこの時、用があってそのまま場を離れたら見失ってしまい、音を聞くことができませんでした。
次は成虫に会えるといいですね(?)。
今日はまたまた「アケビコノハ」の幼虫に会えました。