ツルオドリコソウ
ツルオドリコソウ
シソ科 オドリコソウ属 の常緑多年草
学名:Lamium galeobdolon
別名:キバナオドリコソウ
原産:ヨーロッパ東部〜西アジア
ツルオドリコソウは10年ほど前に植えた苗が庭のあちこちに広がり、何もしなくても黄色い元気な花を見せてくれます。
葉に絣のような白色模様が入り、やや日陰で湿り気のある所を好みます。

ツルオドリコソウは白班が葉の主脈の外側に入ります。

花茎の先に輪状に横向きに開く唇形花を多数付けます。
これは日本に自生するオドリコソウと同じ構造で、ヒメオドリコソウやホトケノザともよく似ています。

上唇は兜(かぶと)をかぶったように見えます。

兜の背面には細かい毛がびっしり生えています。

花冠は合弁唇状。下唇は下に反り返って3裂し、紅い模様があります。

オドリコソウでは花はピンク色。
編笠を被って阿波踊りなどを踊る乙女の姿を連想し踊り子草と名付けられたそうです。
下唇の奥の花筒には甘い蜜が貯まっていました。

さて、雄しべはどこにあるのでしょう?
上唇の裏側を撮りました。
艶やかな白い花糸が並んで張り付き、先に2段4個の葯が認められました。

では雌しべは?
こちらは花粉がほぼ出尽くし、下唇も退縮気味。
上唇真ん中に何か尖ったものが見えます。

拡大すると左右の葯の真ん中に白く尖っているのが雌しべの柱頭のよう。

上唇を反らして雄しべの後側を見ます。
真ん中に細い雌しべが見えました。

上唇を取り除いて雄しべを左右にずらすと、雌しべの細い花糸と2裂した柱頭が現れました。
「昆虫の集まる花ハンドブック 田中肇著」を見るとコマルハナバチがオドリコソウの蜜を吸うため花に入り込み、その背が雌しべ雄しべにぴったり触れている写真が載っていました。
ツルオドリコソウもマルハナバチ類が蜜を求めて訪問するのを待っているのでしょう。

ツルオドリコソウの花は直立した茎に付きますが、さらに匍匐性の茎を伸ばして広がります。
同じく匍匐茎で繁殖するツルニチニチソウとは花の咲く時期も重なり良く調和します。

数年前ピンク色のツルニチニチソウを入手しましたが、1年で消えてしまいました。
これは白班が葉の主脈部にあるため、L. maculatum と思われます。

シソ科 オドリコソウ属 の常緑多年草
学名:Lamium galeobdolon
別名:キバナオドリコソウ
原産:ヨーロッパ東部〜西アジア
ツルオドリコソウは10年ほど前に植えた苗が庭のあちこちに広がり、何もしなくても黄色い元気な花を見せてくれます。
葉に絣のような白色模様が入り、やや日陰で湿り気のある所を好みます。

ツルオドリコソウは白班が葉の主脈の外側に入ります。

花茎の先に輪状に横向きに開く唇形花を多数付けます。
これは日本に自生するオドリコソウと同じ構造で、ヒメオドリコソウやホトケノザともよく似ています。

上唇は兜(かぶと)をかぶったように見えます。

兜の背面には細かい毛がびっしり生えています。

花冠は合弁唇状。下唇は下に反り返って3裂し、紅い模様があります。

オドリコソウでは花はピンク色。
編笠を被って阿波踊りなどを踊る乙女の姿を連想し踊り子草と名付けられたそうです。
下唇の奥の花筒には甘い蜜が貯まっていました。

さて、雄しべはどこにあるのでしょう?
上唇の裏側を撮りました。
艶やかな白い花糸が並んで張り付き、先に2段4個の葯が認められました。

では雌しべは?
こちらは花粉がほぼ出尽くし、下唇も退縮気味。
上唇真ん中に何か尖ったものが見えます。

拡大すると左右の葯の真ん中に白く尖っているのが雌しべの柱頭のよう。

上唇を反らして雄しべの後側を見ます。
真ん中に細い雌しべが見えました。

上唇を取り除いて雄しべを左右にずらすと、雌しべの細い花糸と2裂した柱頭が現れました。
「昆虫の集まる花ハンドブック 田中肇著」を見るとコマルハナバチがオドリコソウの蜜を吸うため花に入り込み、その背が雌しべ雄しべにぴったり触れている写真が載っていました。
ツルオドリコソウもマルハナバチ類が蜜を求めて訪問するのを待っているのでしょう。

ツルオドリコソウの花は直立した茎に付きますが、さらに匍匐性の茎を伸ばして広がります。
同じく匍匐茎で繁殖するツルニチニチソウとは花の咲く時期も重なり良く調和します。

数年前ピンク色のツルニチニチソウを入手しましたが、1年で消えてしまいました。
これは白班が葉の主脈部にあるため、L. maculatum と思われます。

この記事へのコメント
ツルオドリコソウが綺麗ですね。
いつもの詳しい解説で、またまた勉強になりました。
いつも見下ろすアングルで撮っていたので、笠の下の雄蕊は全く気付きませんでした。
有り難うございました。
すっきりしました。胸の中にたまっていたものが一気に吐き出されて納得できました。
きれいに撮られた画像で存在を明らかにしてくださって!
思っていた以上に細い雌しべでした。
兜の一番内側に雄しべに隠れるように2裂した柱頭!見えます!
場所は推測できてもこれほどか細いなんて想像を超えていました。
マルハナバチにぴったりの構造なんですね。
白斑が中央に入るピンク色 こういうのは見たことがないです。
きれいですね!!!
私も10年このかた庭にありながら上から眺めていただけでした。
いざ、ブログにと思うとこんな観察ができて楽しくなりました。
肉眼では見えないくらい細くて目立たない雄しべ、私も意外でした。
この雌しべは荒っぽく侵入するハナバチに折られないように、しなやかな細身になって左右の葯に守られているのでしょうか。
初めどんな昆虫用に設計された構造なのか分からず悩みましたが、田中さんのオドリコソウとマルハナバチの写真を見たら一目瞭然でした。
ヒメオドリコソウは北海道にまで繁茂しているのですね。
個人的にはどうも姫のイメージには合わないような気がします。
お雛様ならホトケノザが女雛、ヒメオドリコソウは男雛と言った方がいいような。
ありがとうございます!
最初の写真のように密に咲くといいのですが、うちではさほど広がりません。どうやら“湿り気”のようだと分かったので、植える場所を考えます。
ツルオドリコソウは学名からピンクの花共々ラミウムとも言われます。
10年前購入時についてきたラベルには「這性ラミウム」とかいてありました。
たしかにやや日陰で湿っぽい所が好きなようです。
葉に斑が入っているのは亜種のようですね。日本帰化植物写真図鑑2に現在逸出しているものもほとんどこれとありました。どこかで出会うかもしれません。
私はまだ「オドリコソウ」を見たことがなく、見られるのはこのキバナばかりです。それも葉はみな斑入りですね。
花壇や公園には殖えていますからそのうちきっとお目にとまると思います。
この花の和名は確定されていないのか、植物分類表Aboc には 学名で載っています。
日本帰化植物写真図鑑2にはキバナオドリコソウで掲載されていますのでどちらにしようか迷いました。
可愛い形ばかりに目が行って、下から覗いて蕊迄気が回りませんでした。
以前行った森にまたいければぜひぜひ地べたにひっついて撮ってみたいと思います。
枯れてしまったというピンクも可愛いですね。
以前、牛久の森のかわいいオドリコソウを見せていただきましたね。
下から見るのはちょっとたいへんですので私はコンデジで撮りましたが、地べたにひっついて撮ったらもっと面白い写真が撮れるでしょうね。
期待しています♪
ピンクのツルオドリコソウは涼しい蓼科で見つけて買ったものでしたから、夏がこせなかったのでしょうか、残念でした。