夜の蛾を撮る
夜の蛾を撮る
( 蛾の名前、追記しました。「追記3」2012.11.28.夜. )
フウセントウワタの複雑な受粉の仕組みを知ると昆虫との関係が気になります。
なかなかさんの「ガガイモの両性花と雄花」では、送粉者は夜行性の蛾か、日中の昆虫かが問題になっていました。
残り少ないながらまだフウセントウワタの花が咲いています。確認してみましょう!
小さなヘッドライトを点けて夜の庭へ。
フウセントウワタの花を順に見ていっても何も見つかりません。
と、茎に何かルビー色に輝くものが見えました。
オートで撮って見るとルビー色の玉はなく、みすぼらしいガが一匹!
このガの目が赤く光っていたのですね。

夜な夜なガ探し。
やはりガの眼はヘッドライト( panasonic BF-AH11 LED 電灯色)に光ります。
焦点を光る眼に合わせてパチリ。夜でもガが撮れることがわかりました。
フウセントウワタの葉で一休みしているガ。鎧をまとっているみたいですね。

顔写真。大きな眼です。口吻は収納されています。
初めに驚いたルビー色ほど紅い眼はあの時一度限り、あとは赤っぽいときも、白っぽいときもあります。
姿が見えなくても光ればガの眼。但し雨後の水滴とは区別できません。

翅の模様から検索すると、このガはヤガ(夜蛾)科 キリガ亜科 のノコメトガリキリガ(訂正しました)のようです。
チョウと異なりじっと止まっているので撮り易い。

フウセントウワタの隣にブットレア(フサフジウツギの園芸種)の白い花がたくさん咲いています。
昼間はここにモンシロチョウ、ナミアゲハ・ツマグロヒョウモンなどが訪れ賑やかです。

ブットレアの花は芳香性でチョウを呼ぶ花と言われます。
眼が慣れるとブットレアには夜も訪問客があることがわかりました。
闇に現れた白い羽ばたきはガで、ブットレアの花に降りて蜜を吸っているようです。

花に顔を埋めているガ。
ウスキシャチホコ( シャチホコガ科)でしょうか?
冬の蛾にはシャクガ科 フユシャク亜科 のガ達もいます。

フクロウのような顔がのぞいていました。

ホバリングしながら花を一周。

ウスチャヤガ(ヤガ科モンヤガ亜科)
葉に止まって触覚を180度に開いているのはウンモンクチバ?

地面の別個体。
触覚は翅の外縁に添わせて休憩でしょうか。

ブットレアの蕾にも1匹。これもウンモンクチバ? クロクモヤガ(ヤガ科モンヤガ亜科)

吸蜜体勢です。翅を畳んでいるのかスリムに見えます。

口吻をたわめて花筒に突っ込み、蜜を吸っています。

口吻を真っすぐ花筒に差し込んで吸蜜するのは ガ? チョウ?

同じ個体です。胴体が太くでっぷりしていますし、ガだろうとは思うのですが.......。

決められません。もう1枚追加します。
エグリヅマエダシャク(シャクガ科エダシャク亜科)のようです。
キイロアツバ(ヤガ科 クルマアツバ亜科 )?
クロコノマチョウ(タテハチョウ科 ジャノメチョウ亜科 )?

日本のチョウ目の昆虫は3,500種類、このうち「チョウ」と呼ばれるものは250種、残りは「ガ」だそうです。
しかし一般にチョウに比べて地味なガの写真を撮る人は少数派ですね。
その上、夜活動するガは写真が撮り難く思えますし、時間的制約もあります。
今回フウセントウワタの花を観察したご縁で、夜の昆虫を確認に行くことにしました。
ところが意外にも、ヘッドライトをつけると夜のガは昼間のチョウより撮り易くさえ思えました。
検索してもガが花の蜜を吸う画像は少ないようですので、虫の名もあいまいですがとりあえず記事にしてみました。昆虫名をお教えいただければ幸いです。
虫ナビによればチョウ目の中でもヤガ上科は最も種類が多く、全世界では7万種もいるそうです。どうぞ皆さんもお試し下さい。
追 記 1
夜のガはフウセントウワタよりブットレアを好んでいましたが、昼間のフウセントウワタにはしばしばセイヨウミツバチを見つけました。まだ新しい果実が誕生しているのはこのミツバチのお蔭かと思います。
追 記 2「モスアイ構造」
ガの複眼には微細な突起が並んでいて、光を効率的に目の奥に取り入れ、かつ月の光を反射させない構造(モスアイ構造)になっているそうです。
これでコウモリのような天敵から身を守っているのですが、さすがにヘッドライトはよく反射しました。しかしこの光から逃げる気配は皆無でした。
追 記 3 「蛾の名前、教えていただきました。」
蛾の同定ができなくて疲れ果てて、そのまま記事をアップしてしまいましたが、やはり気になる虫の名前。
毎日見ていた「むし探検広場」にそっくりな画像が出ました。「ウスチャヤガ」です。
やっぱりまた「むし探検広場」さんにお教えを乞うことにしました。
そして今日、お返事がいただけました!!!
http://insects.exblog.jp/19549153/
8・9枚目 ウンモンクチバではなく、ウスチャヤガ でした。
10 枚目 「たぶん、ヤガ科モンヤガ亜科のクロクモヤガではないかと思います。」と。
11・12・13枚目
「シャクガ科エダシャク亜科のエグリヅマエダシャクではないでしょうか」と。
そして「蝶には夜行性のものはいませんので、夜に吸蜜している時点で、蝶の
線は消してしまっていいと思います」と。
ありがとうございました。ほっとしました。
オオスカシバ や ホシホウジャクは蛾でも昼に飛びますが、逆に夜飛ぶ蝶はいないのですね。
11枚目のように翅を合わせて止まるのはひょっとして蝶?と混迷の底に落ち込んでいました。
お蔭様で楽になれました。それにしても蛾の同定はむつかしいですね〜!
( 蛾の名前、追記しました。「追記3」2012.11.28.夜. )
フウセントウワタの複雑な受粉の仕組みを知ると昆虫との関係が気になります。
なかなかさんの「ガガイモの両性花と雄花」では、送粉者は夜行性の蛾か、日中の昆虫かが問題になっていました。
残り少ないながらまだフウセントウワタの花が咲いています。確認してみましょう!
小さなヘッドライトを点けて夜の庭へ。
フウセントウワタの花を順に見ていっても何も見つかりません。
と、茎に何かルビー色に輝くものが見えました。
オートで撮って見るとルビー色の玉はなく、みすぼらしいガが一匹!
このガの目が赤く光っていたのですね。

夜な夜なガ探し。
やはりガの眼はヘッドライト( panasonic BF-AH11 LED 電灯色)に光ります。
焦点を光る眼に合わせてパチリ。夜でもガが撮れることがわかりました。
フウセントウワタの葉で一休みしているガ。鎧をまとっているみたいですね。

顔写真。大きな眼です。口吻は収納されています。
初めに驚いたルビー色ほど紅い眼はあの時一度限り、あとは赤っぽいときも、白っぽいときもあります。
姿が見えなくても光ればガの眼。但し雨後の水滴とは区別できません。

翅の模様から検索すると、このガはヤガ(夜蛾)科 キリガ亜科 のノコメトガリキリガ(訂正しました)のようです。
チョウと異なりじっと止まっているので撮り易い。

フウセントウワタの隣にブットレア(フサフジウツギの園芸種)の白い花がたくさん咲いています。
昼間はここにモンシロチョウ、ナミアゲハ・ツマグロヒョウモンなどが訪れ賑やかです。

ブットレアの花は芳香性でチョウを呼ぶ花と言われます。
眼が慣れるとブットレアには夜も訪問客があることがわかりました。
闇に現れた白い羽ばたきはガで、ブットレアの花に降りて蜜を吸っているようです。

花に顔を埋めているガ。
ウスキシャチホコ( シャチホコガ科)でしょうか?
冬の蛾にはシャクガ科 フユシャク亜科 のガ達もいます。

フクロウのような顔がのぞいていました。

ホバリングしながら花を一周。

ウスチャヤガ(ヤガ科モンヤガ亜科)
葉に止まって触覚を180度に開いているのは

地面の別個体。
触覚は翅の外縁に添わせて休憩でしょうか。

ブットレアの蕾にも1匹。これも

吸蜜体勢です。翅を畳んでいるのかスリムに見えます。

口吻をたわめて花筒に突っ込み、蜜を吸っています。

口吻を真っすぐ花筒に差し込んで吸蜜するのは ガ? チョウ?

同じ個体です。胴体が太くでっぷりしていますし、ガだろうとは思うのですが.......。

決められません。もう1枚追加します。
エグリヅマエダシャク(シャクガ科エダシャク亜科)のようです。

日本のチョウ目の昆虫は3,500種類、このうち「チョウ」と呼ばれるものは250種、残りは「ガ」だそうです。
しかし一般にチョウに比べて地味なガの写真を撮る人は少数派ですね。
その上、夜活動するガは写真が撮り難く思えますし、時間的制約もあります。
今回フウセントウワタの花を観察したご縁で、夜の昆虫を確認に行くことにしました。
ところが意外にも、ヘッドライトをつけると夜のガは昼間のチョウより撮り易くさえ思えました。
検索してもガが花の蜜を吸う画像は少ないようですので、虫の名もあいまいですがとりあえず記事にしてみました。昆虫名をお教えいただければ幸いです。
虫ナビによればチョウ目の中でもヤガ上科は最も種類が多く、全世界では7万種もいるそうです。どうぞ皆さんもお試し下さい。
追 記 1
夜のガはフウセントウワタよりブットレアを好んでいましたが、昼間のフウセントウワタにはしばしばセイヨウミツバチを見つけました。まだ新しい果実が誕生しているのはこのミツバチのお蔭かと思います。
追 記 2「モスアイ構造」
ガの複眼には微細な突起が並んでいて、光を効率的に目の奥に取り入れ、かつ月の光を反射させない構造(モスアイ構造)になっているそうです。
これでコウモリのような天敵から身を守っているのですが、さすがにヘッドライトはよく反射しました。しかしこの光から逃げる気配は皆無でした。
追 記 3 「蛾の名前、教えていただきました。」
蛾の同定ができなくて疲れ果てて、そのまま記事をアップしてしまいましたが、やはり気になる虫の名前。
毎日見ていた「むし探検広場」にそっくりな画像が出ました。「ウスチャヤガ」です。
やっぱりまた「むし探検広場」さんにお教えを乞うことにしました。
そして今日、お返事がいただけました!!!
http://insects.exblog.jp/19549153/
8・9枚目 ウンモンクチバではなく、ウスチャヤガ でした。
10 枚目 「たぶん、ヤガ科モンヤガ亜科のクロクモヤガではないかと思います。」と。
11・12・13枚目
「シャクガ科エダシャク亜科のエグリヅマエダシャクではないでしょうか」と。
そして「蝶には夜行性のものはいませんので、夜に吸蜜している時点で、蝶の
線は消してしまっていいと思います」と。
ありがとうございました。ほっとしました。
オオスカシバ や ホシホウジャクは蛾でも昼に飛びますが、逆に夜飛ぶ蝶はいないのですね。
11枚目のように翅を合わせて止まるのはひょっとして蝶?と混迷の底に落ち込んでいました。
お蔭様で楽になれました。それにしても蛾の同定はむつかしいですね〜!
この記事へのコメント
そう言えば私も夜な夜なダンゴムシ退治をしたのでしたが、夜こそが活動期の虫たちも多いのですね。
ご苦労のおかげで、蛾の生態を眺めさせてもらいました!
蛾の羽をアップで見ると、色も模様も渋くて味がありますね。
夜な夜なとはいえ、晩秋の夜は冷えますから1晩5〜10分。
703さんのダンゴムシ退治とは比較にもなりません(笑)。
ガは毛虫や芋虫の親ですからつい敬遠されがちですが、ピンぼけとはいえこんなに簡単に夜間の生態写真が撮れたことが感激でした。
昼間は眠っているのでしょうか。
蛾はいつも静かにふせっていることが多いので、後ろから翅の模様を撮るくらいで顔を見たことがありません。
フクロウの様な顔、なかなか面白いですね。
夕菅さんのお蔭で初めて見ることが出来ました。^^
次回、私のブログも蛾です。
幼虫ですけど初対面、奇麗?なのででびっくりしました。
何もいないかと思っていた晩秋の庭にフユシャクではないヤガが次々現れ驚きました。
口吻を伸ばして吸蜜する姿はチョウもガも同じでした。
顔まで撮れていたとは大まぐれ! オートは有り難い。
昼間はチョウ達がたまに訪れるのですが、ガは見つかりません。
どこに隠れているのでしょうね?
ガの模様の複雑で微妙な美しさには惹かれるものがあります。
しかし、その数を考えるとわたしにはとても・・調べる気になれないで終わっています。
見せていただき改めて魅力を確認しました。
フウセントウワタの花のかわいいこと、実でなく花が活けられて、しかも耐寒性があるなら言うことなしなのに~残念。
新しい植物を植えると新しい発見や出会いがあるので、チャレンジしてみるのはいいことですね。
お庭での蛾の観察は一種、二種に集中できて、これはこれでおもしろいですね。
光った所にピントを合わせてシャッターを押すだけで、夜の蛾が撮れるのが面白くて数夜通いました(笑)。
ところがいざ記事にと思ったら名前がわからない。
まだ蛾の専門書を買う気にはなれないのでネット検索で絵合わせ。
わからなくて疲れて、「もうこのままでいいから終リにしたい」。
フウセントウワタは当地では冬季は枯れると思います。果実はまだ完熟しませんし、その蔭にまだヒメジュウジナガカメムシも群れています。もうすぐ冬、心配です。
夜の昆虫採集会は盛大だったことでしょうね。
昔、外灯の回りを飛び交う蛾を見上げたことはありましたが、今回のように蛾を見るために夜間外へ出たのは初めてで新鮮な感動がありました。
拡大してみると触覚や羽模様はそれぞれで楽しくはあるものの、蝶より多種複雑なので同定は極めてむつかしそうです。
でもそんな世界を垣間見ることができただけでも幸いでした。
将来、孫と一緒に虫探しに行けたら楽しいでしょうね。
複眼全体が光っていないところが面白いですね。
昼行性の昆虫を同じ条件で撮影すると、複眼はどのように見えるのでしょうね。
http://soyokaze-jp.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-ac05.html
フウセントウワタの花に昼間は殆ど虫が来ていないのに果実がたくさん出来るので、夜の昆虫がきているのかどうか見に行きました。
懐中電灯ではカメラが持てないので、息子にもらったヘッドランプを付けていった所、ルビー色に光るものを発見。
次々いろんな蛾が来るので面白くなって夜な夜なの撮影となりました(笑)。
また機会があったら「昼行性の昆虫を同じ条件で撮影する」も試してみます。