カリアンドラ・エマルギナタ(2)
カリアンドラ・エマルギナタ(2)
これまでこの花のつくりを深く考えたことはありませんでした。
はじめはこの花の花びらは糸のように細いのかしらと思ったほどです。

この度、“花*花・flora”「ネムノキ」を読ませていただいて、花のつくりが少しわかってきました。
この糸のようなものは細い花弁ではなく、長い雄しべの花糸だったのです。
この花はキクの花と同じく、たくさんの小花が集まって一つの花のように見えています。
こういうつくりを頭状花序といいます。
40花も咲いた日、一花採って小花はいくつあるのか数えてみました。
小花をひとつづつ外していきます。
何と21花もありました。最後に残ったのは左下の小さな花床。
それぞれの小花には雄しべが20本くらいづつ出ていました。

“花*花・flora”によればネムノキでは一つの花の中に、蕾のときから飛び出していて特に長い花冠をもつ小花があり、それにはたっぷり蜜が入っているそうです。
けれどもカリアンドラ・エマルギナタでは小花も蕾も全部同じに見えます。
蜜はどうでしょう?
雄しべを引っ張って抜いてみました。花冠と雌しべの花柱の下部が残りました。
花弁はこんなに小さく、切れ込みのあるカップ型です。
抜けた雄しべの下端をなめるとどれもかすかに甘い。
蜜がこぼれたのもありました。↓

またネムノキでは「ネムノキの花は雄しべ先熟」で「雄しべが枯れてくると雌しべが姿を現す」と書かれています。
萎れた花を見てみましたが長い雌しべは見つかりませんでした。
念のため、1枚目の画像を拡大してみました。
すると先端が黒っぽいバチのような形のものが一つ見つかりました。
ひょっとしてこれは雌しべの柱頭では?

2枚目の小花たちも拡大して見直してみました。
すると同じく先端がバチ状に見えるものが見つかりました。
その目で見るとこれら21花の中に数本同じ形のものが見えます。
一つの小花に1本だけ、長く突出はせず、雄しべと同じくらいかむしろやや短めの雌しべがあるようです。

顕微鏡で見てみました。
午前11時の花の雌しべの柱頭(左)と雄しべの葯。
葯には花粉がたくさん付いてますが柱頭には付いていません。
やはり雄しべの花粉が先に熟すのでしょうか。
花粉の形がはちょっと変わっていますね。

午後2時。花粉がいっぱいついた柱頭(左)。俵型の葯には花粉が少ない。

花粉を拡大すると亀の甲羅のような形でした(苛性カリ処理後)。

カニのはさみのような葉は濃い緑色で花の色を引き立たせる。やや淡い葉は若葉。

開花直前の蕾。ネムノキのように1つだけ飛び出すことはない。

実はこの花は実がならないものと思い込んでいましたが、昨秋初めて果実を見つけました。
まさしく豆の莢、なるほどマメ科だと思いました。

下にも鞘や種子が落ちていました。その種子を蒔いてみましたが芽は出ませんでした。

カリアンドラ・エマルギナタの花のつくりを見てみました。
ネムノキと違って雌しべは雄しべより長く突出せず、同じくらいかむしろやや短いため、花粉は先に熟しても他家受粉は望めないのではと思いました。
ネット検索してもカリアンドラ・エマルギナタにはあまり資料がありませんので、そのまま記事にしましたが間違いがあるかもしれません。
誤りにお気付きになられましたら、どうぞお教え下さいますようお願いします。
これまでこの花のつくりを深く考えたことはありませんでした。
はじめはこの花の花びらは糸のように細いのかしらと思ったほどです。

この度、“花*花・flora”「ネムノキ」を読ませていただいて、花のつくりが少しわかってきました。
この糸のようなものは細い花弁ではなく、長い雄しべの花糸だったのです。
この花はキクの花と同じく、たくさんの小花が集まって一つの花のように見えています。
こういうつくりを頭状花序といいます。
40花も咲いた日、一花採って小花はいくつあるのか数えてみました。
小花をひとつづつ外していきます。
何と21花もありました。最後に残ったのは左下の小さな花床。
それぞれの小花には雄しべが20本くらいづつ出ていました。

“花*花・flora”によればネムノキでは一つの花の中に、蕾のときから飛び出していて特に長い花冠をもつ小花があり、それにはたっぷり蜜が入っているそうです。
けれどもカリアンドラ・エマルギナタでは小花も蕾も全部同じに見えます。
蜜はどうでしょう?
雄しべを引っ張って抜いてみました。花冠と雌しべの花柱の下部が残りました。
花弁はこんなに小さく、切れ込みのあるカップ型です。
抜けた雄しべの下端をなめるとどれもかすかに甘い。
蜜がこぼれたのもありました。↓

またネムノキでは「ネムノキの花は雄しべ先熟」で「雄しべが枯れてくると雌しべが姿を現す」と書かれています。
萎れた花を見てみましたが長い雌しべは見つかりませんでした。
念のため、1枚目の画像を拡大してみました。
すると先端が黒っぽいバチのような形のものが一つ見つかりました。
ひょっとしてこれは雌しべの柱頭では?

2枚目の小花たちも拡大して見直してみました。
すると同じく先端がバチ状に見えるものが見つかりました。
その目で見るとこれら21花の中に数本同じ形のものが見えます。
一つの小花に1本だけ、長く突出はせず、雄しべと同じくらいかむしろやや短めの雌しべがあるようです。

顕微鏡で見てみました。
午前11時の花の雌しべの柱頭(左)と雄しべの葯。
葯には花粉がたくさん付いてますが柱頭には付いていません。
やはり雄しべの花粉が先に熟すのでしょうか。
花粉の形がはちょっと変わっていますね。

午後2時。花粉がいっぱいついた柱頭(左)。俵型の葯には花粉が少ない。

花粉を拡大すると亀の甲羅のような形でした(苛性カリ処理後)。

カニのはさみのような葉は濃い緑色で花の色を引き立たせる。やや淡い葉は若葉。

開花直前の蕾。ネムノキのように1つだけ飛び出すことはない。

実はこの花は実がならないものと思い込んでいましたが、昨秋初めて果実を見つけました。
まさしく豆の莢、なるほどマメ科だと思いました。

下にも鞘や種子が落ちていました。その種子を蒔いてみましたが芽は出ませんでした。

カリアンドラ・エマルギナタの花のつくりを見てみました。
ネムノキと違って雌しべは雄しべより長く突出せず、同じくらいかむしろやや短いため、花粉は先に熟しても他家受粉は望めないのではと思いました。
ネット検索してもカリアンドラ・エマルギナタにはあまり資料がありませんので、そのまま記事にしましたが間違いがあるかもしれません。
誤りにお気付きになられましたら、どうぞお教え下さいますようお願いします。
この記事へのコメント
細い花びらだと思っていたので、びっくりです~
しかも、めしべがひとつひとつの中にあるのですね~
顕微鏡での姿も、初めてみる光景で、ほんと驚きでした~
毎回詳しいお花のお話で、ほんと勉強になります~
実や種の姿も初めて見ました!
感動しっぱなしです。
花は見てたのですが、いざ書こうとすると何にも視てなかったことに気付きます。
改めて視てみるといろいろ見えてきてびっくりです。
でも私なぞほんの初心者、世の中にはもっともっと深く広く通じていらっしゃる方があることもわかって驚くばかりです。
今回も本当はもっと見たいこともあったのですが、花が咲かなくなってしまいましたので見切り発車です(笑)。
さてさて、ウチのネムノキは?
と、前回の夕菅さんの記事で思ったのですが、思ったままに終わってまして、また改めて「ウチのネムノキは?」です。
そのお花をずっと見たいから、剪定を心掛けて、あんまり高くはなってません、目線の高さでいっぱい咲いています。
そうですね、いつ咲くのかな?
要注意です
この花の真っ赤な色と葉っぱの緑がホンマ、きれいですね。
夕菅さん、こんなに詳しく観察されてて、スゴイなぁ・・・
そして、分解して、顕微鏡も登場
顕微鏡ってつい最近のこと覗いてみたのですが
まるっきりベツモンのように見えてビックリでした。
目線の高さで咲くよう、剪定されてるとは管理がいいですね。
うちの木々は皆、大きくなり過ぎてしまいます。
花が終わらぬうちにご覧になって下さいね。
但し懐中電灯や蚊取り線香が要りますよ、きっと。
顕微鏡の世界はおもしろいですよ。
仕事辞めてもこれを覗いていたら延々と退屈しないかも。