モミジアオイ−2
モミジアオイ-2
モミジアオイには立派な果実がたくさんできています。
しかし花粉を運ぶ昆虫の訪問はそう多くありません。にも拘らず種が易々と
作られるのは何か仕組みがありそうです。今回はそこをのぞいてみました。

モミジアオイの花の真ん中には赤いブラシのようなものが突き出ています。
これはメシベとオシベが合着して柱状になったもので、蕊柱(ずいちゅう) と
いうそうです。
長い蕊柱はアオイ科植物(フヨウ・ハイビスカスなど)の特徴ですが、モミジ
アオイでは特に長く、8cmくらいあります(花の直径は17〜20cm)。
その基部はモミジアオイ−1で示したように子房につながっています。

蕊柱の先端はメシベの柱頭で5つに分かれ、その下に多数のオシベがブラシのよう
に取り巻いています。このままでは下にある花粉は上の柱頭には付きにくい構造
です。

先日、なかなかさんのHPのヤノネボンテンカ(高砂芙蓉)の記事で、メシベが
ねじれながら自分のオシベの方に動いていくという現象を知りました。
http://www.juno.dti.ne.jp/~skknari/
高砂芙蓉は私のブログの最初を飾った花です。今年も咲いていますので確認しま
すと、確かに夕方にはメシベがねじれながら下垂していました。
モミジアオイとヤノネボンテンカは共にアオイ科で花の構造がよく似ています。
モミジアオイでもメシベの下垂はあるのでしょうか? メシベの変化を追ってみます。
朝8時(左写真)。オシベには花粉がついているが、直立した5本のメシベの
柱頭には花粉はついていない。
午後2時(右の写真)。やはりメシベは下方へ弯曲した。

午後6時。花は次第に閉じていく。下垂した柱頭には花粉が多数ついている。

落ちた花を開いて見るとメシベはさらにC字型に弯曲しているものもあり、
柱頭に花粉がいっぱいついているのもある。

しおれた花弁が蕊柱を巻き込んでいく時、さらに花弁の内側にたくさんの
花粉がつく。その際また柱頭に 花粉の上乗せがありそう。

8月も中旬になると花は少なくなり、つぼみより果実の方が多くなります。実らな
かった果実は落花し、あとに花軸のみ残っています。

この花には香りもないようですが、時にはチョウが訪れます。
今日は観察中タイミングよくナミアゲハが来てくれました。しかし毎日見掛ける
ものではありませんし、受粉を助けているかどうかは確認できませんでした。


この庭での短い観察からは、モミジアオイの受粉はほとんどメシベの下垂に
よる自家受粉であろうと推察されました。
こんなしくみで果実はたくさんできて、自然に種が落ち、あちこちに2世が
誕生しています。
モミジアオイには立派な果実がたくさんできています。
しかし花粉を運ぶ昆虫の訪問はそう多くありません。にも拘らず種が易々と
作られるのは何か仕組みがありそうです。今回はそこをのぞいてみました。

モミジアオイの花の真ん中には赤いブラシのようなものが突き出ています。
これはメシベとオシベが合着して柱状になったもので、蕊柱(ずいちゅう) と
いうそうです。
長い蕊柱はアオイ科植物(フヨウ・ハイビスカスなど)の特徴ですが、モミジ
アオイでは特に長く、8cmくらいあります(花の直径は17〜20cm)。
その基部はモミジアオイ−1で示したように子房につながっています。

蕊柱の先端はメシベの柱頭で5つに分かれ、その下に多数のオシベがブラシのよう
に取り巻いています。このままでは下にある花粉は上の柱頭には付きにくい構造
です。

先日、なかなかさんのHPのヤノネボンテンカ(高砂芙蓉)の記事で、メシベが
ねじれながら自分のオシベの方に動いていくという現象を知りました。
http://www.juno.dti.ne.jp/~skknari/
高砂芙蓉は私のブログの最初を飾った花です。今年も咲いていますので確認しま
すと、確かに夕方にはメシベがねじれながら下垂していました。
モミジアオイとヤノネボンテンカは共にアオイ科で花の構造がよく似ています。
モミジアオイでもメシベの下垂はあるのでしょうか? メシベの変化を追ってみます。
朝8時(左写真)。オシベには花粉がついているが、直立した5本のメシベの
柱頭には花粉はついていない。
午後2時(右の写真)。やはりメシベは下方へ弯曲した。


午後6時。花は次第に閉じていく。下垂した柱頭には花粉が多数ついている。


落ちた花を開いて見るとメシベはさらにC字型に弯曲しているものもあり、
柱頭に花粉がいっぱいついているのもある。


しおれた花弁が蕊柱を巻き込んでいく時、さらに花弁の内側にたくさんの
花粉がつく。その際また柱頭に 花粉の上乗せがありそう。

8月も中旬になると花は少なくなり、つぼみより果実の方が多くなります。実らな
かった果実は落花し、あとに花軸のみ残っています。

この花には香りもないようですが、時にはチョウが訪れます。
今日は観察中タイミングよくナミアゲハが来てくれました。しかし毎日見掛ける
ものではありませんし、受粉を助けているかどうかは確認できませんでした。



この庭での短い観察からは、モミジアオイの受粉はほとんどメシベの下垂に
よる自家受粉であろうと推察されました。
こんなしくみで果実はたくさんできて、自然に種が落ち、あちこちに2世が
誕生しています。
この記事へのコメント
お花をたくさんつけた、ヤノネボンテンカが咲いていました。
モミジアオイは、めったに出会えませんね。
見つけるとやっぱり嬉しくて、立ち止まってしまいます。
オシベがねじれて、受粉できるのですね。
初めて知りました。
とても興味深いですね。
チャンスを見つけて観察してみますね。
又一つ物知りになりました。
ありがとうございました♪
こちら(愛知県)では空き地や公園では見たことがありません。
そのヤノネボンテンカと大きなモミジアオイとが同じ仕組みで実を結ぶことを、この庭で観察できてちょっとわくわくしました。
庭には同じくアオイ科のムクゲ・オクラ・ハイビスカスも咲いていますが、これらのメシベは短くて下垂しないようです。
またどこかでごらんになったら比べてみて下さいね。
モミジアオイの雌しべが動いてゆく様子がよくわかります。 全体が真っ赤でとても綺麗ですね。
こんなふうにして子孫を残してゆくなんて、とてもたくましく感じますよね。
最後の「それでも果実はたくさんできて、」の部分ですが、自家受粉ではほぼ100%種子ができますので、「こんなしくみで果実はたくさんできて」のように書いた方が良いかなと思いました。
モミジアオイは私も勉強になりました、ありがとうございました。
「自家受粉」ではほぼ100%種子ができます・・の部分ですが、
「閉鎖花」ではほぼ100%種子ができます・・の間違いでした。
yuusugeさんの本文は、そのまま訂正せずに良いのですが、追記の文章は、カットしていただくか、「自家受粉ではほぼ100%種子ができます」と・・の部分を削除して頂ければと思います。 すみませんでした。
このブログ、見ていただいてありがとうございました。
コメント、二重にいただいて感激です。
白状しますと、なかなかさんに見ていただきたくて、植物学初心者
ながら これでも一生懸命書きました(笑)。
どうもありがとうございました。
早速「こんなしくみで果実はたく さんできて」に訂正させていただ
きました。
モミジアオイも同じ仕組みで分かりやすく写真を見せて頂いてもまるで雌しべに意思があるように思えてきました。
自ら進んで仕事に励んでいるようにも見えるし せっせと働くお母さんを思いました。
なかなかさんのおすすめの言葉はとても的確でさすがですね
リンクの件、お役に立てれば幸いです。
初めはなかなかさんのヤノネボンテンカの追試をするつもりでしたが、
写真に撮るにはモミジアオイ の方が楽でした。
モミジアオイの雌しべも初めは他家受粉を待ちますが、のちには身を屈めて自家受粉の体勢、たくましく子孫を残すのですね。
この頃はなかなか先生によく教えていただきました。
本当に感謝しています。